Aladdin Sane / アラジン・セイン

Aladdin Sane
Back Cover
Label
2003 30th Anniv Edition
2013 40th Anniv Edition
発売日:1973年4月13日  レーベル:RCA  チャート:英1位/米17位
リリース形態:Vinyl / CT / 8track / Reel / CD / DD  参考:Discogs Wikipedia

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Aladdin Sane
A1 Watch That Man あの男に注意しろ
A2 Aladdin Sane (1913-1938-197?) アラジン・セイン
A3 Drive-In Saturday ドライヴ・インの土曜日
A4 Panic In Detroit デトロイトでのパニック
A5 Cracked Actor 気のふれた男優
B1 Time 時間
B2 The Prettiest Star プリティエスト・スター
B3 Let’s Spend The Night Together 夜をぶっとばせ
B4 The Jean Genie ジーン・ジニー
B5 Lady Grinning Soul 薄笑い淑女のソウル

気のふれた預言者

初来日に一部のファッション関係者と洋楽ファンたちが騒然となっていた1973年の4月13日、本国イギリスで文字どおり待望の新作アルバム『Aladdin Sane』が発売された。通算6枚目にして予約注文だけでチャートの首位を奪取する快挙を遂げ、最終的には5週連続で全英アルバム・チャートの1位を記録(全米17位)、グラム・ロックの化身ジギーの人気はここに頂点を極めた。だが、それは単にアルバムが売れただけの結果ではなく、イギリス全土とアメリカ、そして日本を過密なスケジュールで約1年以上の期間をかけて巡業したことの表れである。

ツアーでは疲労困憊の身体であっても新たに訪れた土地の空気から、ボウイはさまざまな音楽に還元される要素を吸収した。とくにはじめて本格的に乗り込んだアメリカの風土や文化は刺激とスリルに満ち溢れており、ボウイの興奮はアルバムのそこかしこに顕著だ。たとえばビバリーヒルズやサンセット・ブルーバードには退廃を嗅ぎとり、デトロイトやニューヨークでもキューブリックの描く世界ですら及ばぬ、暴力やドラッグが日常の荒廃した世界をリアルに感じ取った。

そして、アメリカとともにコンセプトに据えたのが、30thアニヴァーサリー・エディションのブックレットでも触れられているイーヴリン・ウォーの長編小説『Vile Bodies』である。マネージャーのデフリーズが仕掛ける戦略(大スターであるかのように仕立てる)にもとづいて、最高級ホテルでの派手な暮らしを続ける中で、ボウイは『Vile Bodies』の世界にイマジネイションを掻き立てたのではないだろうか。

最後に、言い古されている感もあるが、いくつかトリビアを紹介しておこう。タイトルは”A Lad In Vain”(空虚な若者)から”A Lad Insane”(狂気の若者)に、そして”A Land Insane”(狂気の国) などドラッグを思わせるいくつかの候補に二転三転し、最終的にパントマイムの神秘性や混乱した精神という意味も含んだ”Aladdin Sane”に落ち着いた。タイトル曲の副題(1913-1938-197?)は第一次、第二次大戦勃発のそれぞれ前年を指しており、最後はベトナム戦争から世界は破滅を辿るとの暗示だったという。アートワークに関しては、Pink Monkey Birdか狂気の若者か、とにかく独創的なピエール・ラロシュによるメイキャップに尽きる。額から頬にかけての稲妻は、ナショナルの炊飯器に見つけたマークがモチーフだと伝えられている。

1984年には限定でピクチャー・ヴィニールが発売。その後もアナログでは何度か再発されている。
1990年の再発版CDには『Aladdin Sane』のみボーナス・トラックが一曲も収録されていないので注意しよう。30周年記念盤は完全限定生産とはいえまだ市場に出回っているので、それを決定版としたい。紙ジャケのデジタル・リマスター盤はオリジナルのアートワークが再現されているので楽しめるだろう。

参加ミュージシャンほか

  David Bowie : Vocals, Arrange, Produce
  Mick Ronson : Arrange
  G.A. MacCormack : Backing Vocals
  Juanita “Honey” Franklin : Backing Vocals
  Linda Lewis : Backing Vocals
  Mick Ronson : Guitar, Arrange, Mix
  Trevor Bolder : Bass
  Mike Garson : Piano
  Mick Woodmansey : Drums
  Ken Fordham : Saxophone, Flute
  Ken Scott : Engineering
  Mike Moran : Engineering
  Ken Scott : Mix, Produce
  Pierre Laroche : Make Up
  Brian Duffy : Design [Album Cover Designed By]
  Celia Philo : Design [Album Cover Designed By]

レコーディング・スタジオ

  London, Trident Studios
  New York, RCA Studios
  Nashville, RCA Studios

30周年記念盤(2004年発売)ボーナス・ディスク
01 John, I’m Only Dancing (Sax Version) ジョン、アイム・オンリー・ダンシング(サックス・ヴァージョン)
02 The Jean Genie (Original Single Mix) ジーン・ジニー(オリジナル・シングルMix)
03 Time (US Single Edit) 時間(シングル・エディット)
04 All The Young Dudes すべての若き野郎ども
05 Changes (Live in Boston, 1 Oct 1972) チェンジス(ライヴ)
06 The Supermen (Live in Boston, 1 Oct 1972) スーパーメン(ライヴ)
07 Life On Mars (Live In Boston, 1 Oct 1972) 火星の生活(ライヴ)
08 John, I’m Only Dancing (Live in Boston, 1 Oct 1972) ジョン、アイム・オンリー・ダンシング(ライヴ)
09 The Jean Genie (Live in Santa Monica, 20 Oct 1972) ジーン・ジニー(ライヴ)
10 Drive-In Saturday (Live in Cleveland, 25 Nov 1972) ドライヴ・インの土曜日(ライヴ)

各種リリースフォーマット

RS-1001, LSP-4852 RCA UK LP 1973
LSP-4852 RCA Canada LP 1973
P8S-2134 RCA US 8 Track Cartridge 1973
PK-2134 RCA UK Cassette Tape 1973
PCD1-4852 RCA US CD 1984
PD83890 RCA EU CD 1984
RCD10135 Rykodisc US CD 1991
TOCP-8865 EMI Japan CD 1991
TOCP-65309 EMI Japan CD 1999
SVLP-276 Simply Vinyl UK CD 2001
TOCP-67199-200 EMI Japan Limited 30th Anniversary Edition 2CD 2003
TOCP-70145 EMI Japan Mini-LP Replica CD 2007
WPCR-80089 Warner Japan CD 2014
DB69735, 0825646289431 Parlophone EU LP 2016