リリース形態:Vinyl / CT / 8track / Reel / CD / DD 参考:Discogs Wikipedia
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Aladdin Sane | ||
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A1 | Watch That Man | あの男に注意しろ |
A2 | Aladdin Sane (1913-1938-197?) | アラジン・セイン |
A3 | Drive-In Saturday | ドライヴ・インの土曜日 |
A4 | Panic In Detroit | デトロイトでのパニック |
A5 | Cracked Actor | 気のふれた男優 |
B1 | Time | 時間 |
B2 | The Prettiest Star | プリティエスト・スター |
B3 | Let’s Spend The Night Together | 夜をぶっとばせ |
B4 | The Jean Genie | ジーン・ジニー |
B5 | Lady Grinning Soul | 薄笑い淑女のソウル |
気のふれた預言者
初来日に一部のファッション関係者と洋楽ファンたちが騒然となっていた1973年の4月13日、本国イギリスで文字どおり待望の新作アルバム『Aladdin Sane』が発売された。通算6枚目にして予約注文だけでチャートの首位を奪取する快挙を遂げ、最終的には5週連続で全英アルバム・チャートの1位を記録(全米17位)、グラム・ロックの化身ジギーの人気はここに頂点を極めた。だが、それは単にアルバムが売れただけの結果ではなく、イギリス全土とアメリカ、そして日本を過密なスケジュールで約1年以上の期間をかけて巡業したことの表れである。
ツアーでは疲労困憊の身体であっても新たに訪れた土地の空気から、ボウイはさまざまな音楽に還元される要素を吸収した。とくにはじめて本格的に乗り込んだアメリカの風土や文化は刺激とスリルに満ち溢れており、ボウイの興奮はアルバムのそこかしこに顕著だ。たとえばビバリーヒルズやサンセット・ブルーバードには退廃を嗅ぎとり、デトロイトやニューヨークでもキューブリックの描く世界ですら及ばぬ、暴力やドラッグが日常の荒廃した世界をリアルに感じ取った。
そして、アメリカとともにコンセプトに据えたのが、30thアニヴァーサリー・エディションのブックレットでも触れられているイーヴリン・ウォーの長編小説『Vile Bodies』である。マネージャーのデフリーズが仕掛ける戦略(大スターであるかのように仕立てる)にもとづいて、最高級ホテルでの派手な暮らしを続ける中で、ボウイは『Vile Bodies』の世界にイマジネイションを掻き立てたのではないだろうか。
最後に、言い古されている感もあるが、いくつかトリビアを紹介しておこう。タイトルは”A Lad In Vain”(空虚な若者)から”A Lad Insane”(狂気の若者)に、そして”A Land Insane”(狂気の国) などドラッグを思わせるいくつかの候補に二転三転し、最終的にパントマイムの神秘性や混乱した精神という意味も含んだ”Aladdin Sane”に落ち着いた。タイトル曲の副題(1913-1938-197?)は第一次、第二次大戦勃発のそれぞれ前年を指しており、最後はベトナム戦争から世界は破滅を辿るとの暗示だったという。アートワークに関しては、Pink Monkey Birdか狂気の若者か、とにかく独創的なピエール・ラロシュによるメイキャップに尽きる。額から頬にかけての稲妻は、ナショナルの炊飯器に見つけたマークがモチーフだと伝えられている。
1984年には限定でピクチャー・ヴィニールが発売。その後もアナログでは何度か再発されている。
1990年の再発版CDには『Aladdin Sane』のみボーナス・トラックが一曲も収録されていないので注意しよう。30周年記念盤は完全限定生産とはいえまだ市場に出回っているので、それを決定版としたい。紙ジャケのデジタル・リマスター盤はオリジナルのアートワークが再現されているので楽しめるだろう。
参加ミュージシャンほか
David Bowie : Vocals, Arrange, ProduceMick Ronson : Arrange
G.A. MacCormack : Backing Vocals
Juanita “Honey” Franklin : Backing Vocals
Linda Lewis : Backing Vocals
Mick Ronson : Guitar, Arrange, Mix
Trevor Bolder : Bass
Mike Garson : Piano
Mick Woodmansey : Drums
Ken Fordham : Saxophone, Flute
Ken Scott : Engineering
Mike Moran : Engineering
Ken Scott : Mix, Produce
Pierre Laroche : Make Up
Brian Duffy : Design [Album Cover Designed By]
Celia Philo : Design [Album Cover Designed By]
レコーディング・スタジオ
London, Trident StudiosNew York, RCA Studios
Nashville, RCA Studios
30周年記念盤(2004年発売)ボーナス・ディスク | ||
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01 | John, I’m Only Dancing (Sax Version) | ジョン、アイム・オンリー・ダンシング(サックス・ヴァージョン) |
02 | The Jean Genie (Original Single Mix) | ジーン・ジニー(オリジナル・シングルMix) |
03 | Time (US Single Edit) | 時間(シングル・エディット) |
04 | All The Young Dudes | すべての若き野郎ども |
05 | Changes (Live in Boston, 1 Oct 1972) | チェンジス(ライヴ) |
06 | The Supermen (Live in Boston, 1 Oct 1972) | スーパーメン(ライヴ) |
07 | Life On Mars (Live In Boston, 1 Oct 1972) | 火星の生活(ライヴ) |
08 | John, I’m Only Dancing (Live in Boston, 1 Oct 1972) | ジョン、アイム・オンリー・ダンシング(ライヴ) |
09 | The Jean Genie (Live in Santa Monica, 20 Oct 1972) | ジーン・ジニー(ライヴ) |
10 | Drive-In Saturday (Live in Cleveland, 25 Nov 1972) | ドライヴ・インの土曜日(ライヴ) |
各種リリースフォーマット
RS-1001, LSP-4852 | RCA UK LP | 1973 |
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LSP-4852 | RCA Canada LP | 1973 |
P8S-2134 | RCA US 8 Track Cartridge | 1973 |
PK-2134 | RCA UK Cassette Tape | 1973 |
PCD1-4852 | RCA US CD | 1984 |
PD83890 | RCA EU CD | 1984 |
RCD10135 | Rykodisc US CD | 1991 |
TOCP-8865 | EMI Japan CD | 1991 |
TOCP-65309 | EMI Japan CD | 1999 |
SVLP-276 | Simply Vinyl UK CD | 2001 |
TOCP-67199-200 | EMI Japan Limited 30th Anniversary Edition 2CD | 2003 |
TOCP-70145 | EMI Japan Mini-LP Replica CD | 2007 |
WPCR-80089 | Warner Japan CD | 2014 |
DB69735, 0825646289431 | Parlophone EU LP | 2016 |