ボウイ関連書籍（洋書） 2000年代

元ファンブルのショーン・メイズが自身の参加した78年ヒーローズ・ツアーの期間に残した手記。3月のダラスでのリハーサルから12月の東京公演まで、途中オーストラリアへ飛ぶまえのモントルーで行われた『ロジャー』のレコーディングの模様も伝えている。
彼はジョーン・アーマトレイディングやケイト・ブッシュ（共同著書）の評伝も書いている。1995年50歳のときにエイズにより死去。

The Complete David Bowie

アルバム解説、楽曲解説、ツアーデータ、俳優業、そして活動やリリースをまとめた年表など実用性の高いボウイ百科事典。最新の改訂版は2016年12月発売となっている。本書を引かないボウイ研究などあり得ないと評されるほどマニアや研究家から高く評価されている、邦訳が待望される一冊。

Live In New York

2002年10月にニューヨークの小規模な会場で開催された5公演、通称ニューヨーク・マラソン・ツアーに同行密着したフォトグラファーMyriam Santos-Kaydaによるツアー・ドキュメンタリー写真集。こういったステージのオンオフの写真がまとまって書籍化されるのはシリアス・ムーンライト・ツアー以来久々。色調をセピアとモノトーンの中間あたりの階調におさえた写真が味わい深い。写真家はアルゼンチン生まれ、パサデナのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインを卒業し音楽誌などの仕事に就きボウイと出逢ったという。

Passenger

1976年と1977年のロンドンとパリにてPhilippe Auliacが撮影したシン・ホワイト・デューク時代の写真集。後半にはイギーの写真も。2004年にイタリアのファンサイトMoonage Daydream（現在は閉鎖）にて2000部限定で販売、200部のみサイン本も発売された。

Moonage Daydream: The Life & Times of Ziggy Stardust

2002年にGenesis Publicationsより出版され、ジギーの妖艶な写真の魅力とともに本自体の豪華な仕様で話題を呼んだMick Rockによる『Moonage Daydream』の普及版。

Hallo Spaceboy: The Rebirth of David Bowie

『デヴィッド・ボウイ大百科』のソースとされた87年刊の大判バイオグラフィー『Moonage Daydream』を著したDave Thompsonによるボウイ研究報告の続編にして最新版。1987年以降から2005年までの活動を要約した内容で、白黒ながら写真も多数掲載。要約とはいえ、綿密な取材に裏付けられた記述と長年ボウイを追いかけてきた研究者視点のほどよい距離感は本書ならでは。2000年代の推薦洋書に挙げておきたい一冊。

The Words and Music of David Bowie

オハイオの大学教授による音楽理論に基づいたアルバム単位での解析を試みた評論。コード展開や参照したであろう他アーティストの楽曲など幅広い知識で、目新しい拾い込みも多い。図版の掲載はなし。Peggやほかの評論に物足りなくなった人にはおすすめしたい。